企業の人事や経理の方は、年末調整の事務も終盤にかかっている頃とは思いますが、年末調整の時期になると、中小企業者の経営者から、年末調整の対象となる給与についてよく質問されます。

 特に多いのは、12月分の給与で支払日が1月の場合に今年の年末調整に含めるかどうかです。これは、国税庁のホームページでも翌年の年末調整に含めることが示されているのですが(下記参照)、事業者の方は請負の収入などと同様に考え、「役務の提供が12月中に終わっているのだから、支払うことが確定しており、12月分の給与として今年の年末調整に含めるべきでないか」主張され、なかなか納得されない方もおられます。

 その方には、国税庁のHPのコピーを渡しても腑に落ちないようですが、「支払うことが確定する日」を給与の支給日を原則とすることが、請負などの収益計上を発生主義でとらえる考え方と微妙にかみ合わないことによるものと思います。

 所得税基本通達36-9でも「給与所得の収入金額の収入すべき時期」について、原則として給与の支給日となることが示されています。

(参考) No.2668 年末調整の対象となる給与|国税庁