現在、政府・与党は、令和9年4月からの食料品の消費税を1%に引き下げる調整を進めています。消費税率が下がるということは、一般消費者にとっては、歓迎すべきこととは思いますが、事業者にとってはどうでしょうか。予定通り、消費税が1%となると、最も影響を受けるのは飲食店ではないかと思います。飲食店にとっては、消費税の申告を本則課税で行っている場合、売上は消費税10%であるのに対し、仕入は1%ということになり、納税する金額が、大幅に増えるからです。消費税は、一種の預り金として考えると影響はない、と割り切れる中小企業者がどれだけいるでしょうか。特に個人営業の飲食店にとっては、確定申告時になって初めて消費税の金額の大きさに驚くという方も少なくないのでないかと想定されます。
これらへの備えとして、基準期間の課税売上が5,000万円以下の事業者であれば、簡易課税を選択し、税額の計算を売上などの課税標準に固定してしまうということも考えられるでしょうが、直前に課税事業者を選択して100万円以上の資産を課税仕入れにしている場合や、本則課税で1,000万円以上の資産の仕入控除を行っている場合は、簡易課税を選択できない3年縛りの期間があったりするので要注意です。
一方で、食料品販売店の方は、税率が下がるので、納税額は大きく下がるのではないでしょうか。極端にいえば、食料品を仕入れて販売する状況を考えると、売上総利益の1%から販管費の消費税を差し引くことになり、確定申告時には消費税還付になるという業者も増えるのではないでしょうか。
また、これまで外食産業でのイートインとテイクアウトについて、消費税率が2%の違い(10%と8%)であれば、お客さんも方もそれほど意識をしていなかったと思いますが、これが9%の差(10%と1%)となると、それなりに意識するお客さんも増えるかもわかりません。